James Brown / I'm Real (1988)

James Brown / I’m Real

初めて聴いたJBのアルバムはこれ。俺がホンモノだ、て強烈なインパクトだったし、なんだかとてつもなくディープなものに触れてしまったような気持ちになった。88年の作品だから当然、プリンス以降/ヒップホップ以降のビシバシなサウンドだが、これが今聴いてもやたらとカッコイイ。作曲・アレンジも含め全面的にプロデュースしたフルフォースの功績だと思うけど、この時期の音作りでしか出せないカッコ良さでJBファンクを再生していて素晴らしい。特に「Static」はいつ聴いてもヤラレる。きっと殿下はこれを聴いて、なんで俺にやらせてくれなかったんだー、と悔しがったに違いない。僕は今でもこのアルバムで入門できてラッキーだったと思う。そうでもないとスルーしちゃいそうなアルバムだもんね。

James Brown / It's a Mother (1969)

James Brown / It’s a Mother

複雑なリズムアレンジが超スリリングな大傑作ファンク「Mother Popcorn」を筆頭に「Mashed Potato Popcorn」「Popcorn wiht a Feeling」と、謎のポップコーン攻勢に打ちのめされる一枚。100枚くらいあるJBのオリジナルアルバムを漁っていく根性は僕にはありませんが、そうかといって編集盤で代表曲を押さえたつもりになって安心していると、ロングバージョン(というか本来のバージョン)やベスト盤にはまず入らないような激渋曲を聴き逃すことになるから厄介なのだ。「Mother Popcorn」の後半(パート2)ではメイシオが吹きまくってるし、インストの「Popcorn wiht a Feeling」は妖し気なほどクールな感触の渋いファンクで、いかにもレアグルーヴ的な一曲。困ったものです。

Fred Wesley & The Horny Horns featuring Maceo Parker / A Blow for Me, A Toot to You (1977)

Horny Horns / A Blow for Me, A Toot

Pファンク版JBズといった趣きのホニーホーンズだが、こうしてJBズと続けて聴いてみると、JBとジョージクリントンではプロダクションの在り方が随分違うなあと改めて思う。録音時期も違うから両者を単純に比較するのもアレですけど。圧倒的にシャープに切り込むJBに対して、クリントン=Pファンクはドロドロ混沌としたアンサンブルで、なんて言うか、ロックっぽい。どちらがイイという問題ではないし、はっきり言ってどっちもサイコーである。ただ、同じ独裁者でもクリントンはプレイヤーに与える演奏上の自由度が割と高く、JBズからPファンクへの人材流出もナルホドだし、音からもその解放感はひしひしと伝わる。

The J.B.'s / Doing It to Death (1973)

 J.B.’s / Doing It to Death

JBって僕はもっぱら編集盤頼みで、オリジナルアルバムってことだとむしろJBズのが聴いてる。特にこのセカンドが好きでよく聴いた。ファーストやサードもイイんだけどね、ズバ抜けてイイです、セカンドは。中でもタイトルトラックのヒリヒリするような研ぎ澄まされたファンクネスはどうですか!とことんストイック&シャープにワンコードを反復するクールさは、ある意味テクノ的ですらある。じわじわ迫ってくる三連ビートがたまらない。セックスマシーン以降の完成形JBファンクの中でも屈指の1曲。続く「More Peas」も浮遊感を放つギターカッティングが最高に気持ちイイ。この2曲で構成されるA面が特に素晴らしく、20分間が一瞬で終わる。

Mighty Tom Cats / Soul Makossa (19??)

Mighty Tom Cats / Soul Makossa

こんなんもあった!アフロ週間継続中。これはなんと言ってもマヌディバンゴの表題曲が有名ですが、正直私はこのカバーとオリジナルの聴き分けがつかない。まあカッコイイからイイですけど。それよりもアルバムとしてかなり面白いですねこれ。アフロビート云々てよりも、一貫して陽性のほんわかしたグルーヴ感が気持ちイイです。特にボッサぽいリズムに乗せてピアノのリフを延々15分繰り返す「Bahamas Melody」がクセになる。まるでサンプリンングのループみたい。中毒性高い。それにしても聴いてるうちに、これどこの国のバンド?って思ってネットでいろいろ見てみたら、結構「正体不明の謎のグループ」的な存在らしい。リリース年もあやふやだし、いいねー、なんかミステリアスな1枚であります。

Har-You Percussion Group / Har-You Percussion Group (1969)

Har-You Percussion Group

ここ最近、パーカッションがバコバコなやつをカラダが求めてまして、なんかねえかっつって棚見てたらこんなの持ってました。パーカッショングループって、まず名前がストライク。ラテン系。どうもその筋の人にはド定番の1枚らしい。たぶん私はワケも分からず買って一回くらい聴いて放置してたんだと思うけど、今日になってちゃーんと威力を発揮。バコバコサルサ。凄まじいです。こうなるとメロディなんて添え物ですね。
あ、この盤、両方B面だ。けっこう多いなそういうの。アナログっておおらかだなあ。

Miles Davis / On The Corner (1972)

Miles Davis / On The Corner

ジャズ苦手または知らない奴(自分含む)が持ってる率ナンバーワンのマイルスはこれだろうきっと。よく言われるのが、スライに思いっきり触発されて作ったアルバムってことで、勿論それに異論はないけれど、じゃあ本作のファンクがそれほどスライ的かというと、実はおれにはよくわからない。
このアルバムのリズムパターンは、大雑把に言うなら2つしかない。いずれもキテレツ強烈なものだが、つんのめるようなギクシャクしたビート感は、腰にくるというよりはむしろ全身痙攣型(?)だ。そいつをガンガン反復するのでもはや呪術的というかある意味サイケなアヤシさ。はっきり言って最高です。
そしてこれは私だけかもしれないが、本作のサウンドにはそのアヤシサにも関わらず、どことなくお茶目さっていうか可愛さっていうかクスっと笑えるユーモアを感じる。うまく言えないけど、そこはまさにスライにも通じる感覚である。
最後に、本作の震えるくらいかっちょいいジャケは、私の愛するジャケオールタイムトップ3に入ります。