Fela Ransome Kuti & Nigeria 70 / The '69 Los Angeles Sessions (1993)

Fela Kuti / 69 Los Angeles Sessions

アフロビートを聴こう週間です!
と息巻いてみたものの実は全然知らなくて。フェラクティも有名なアルバム持ってないし、結局これ1枚だけ。てことでしばらくはこの貴重な1枚を聴き込むことに。最後に聴いたのは随分前でもう内容ほとんど忘れてたけど、意外なほど聴きやすかった。アフロビートといえば兎に角パーカッション乱れ打ちのバコバコでゴリゴリの性急且つ攻撃的リズムの応酬っていうかアリ地獄、みたいな私の中の短絡的なイメージが肥大化していたため、本作を聴くにあたり、よしかかってこい的な緊張と覚悟で挑んだわけですが。1曲目から予想外にゆったりめのテンポ感にすんなりノリノリに。長尺曲が無いのも私のような俄リスナーにやさしい作りである。
余談。近頃我が音楽ライフにおいてフェラの名前に再会したのは、意外にもジェフエメリックのビートルズ本においてでした。バンドオンザランのレコーディングでナイジェリアに訪れたポールが、アフリカのリズムを盗みにきたのか?なんつってフェラからインネンつけられたって話。ほんとかどうかわかんないけど、強烈。

Van Dyke Parks / Discover America (1972)

Van Dyke Parks / Discover America

トロピカル三部作を聴く合間に、当時の細野さんが参照したであろうアルバムをあらためて聴いていくとけっこう面白い。ヴァンダイクのこれなんて、おれずっと苦手だったんだけど、全然印象変わった。どうもこれまで、名盤を拝聴!的な、これわかんないとマズイぞ的な肩のこる接し方をしてたようです。でも今回、細野チャンキーサウンドを聴くときの、インチキ臭さを楽しむ感覚みたいなものを当てはめてみたらすごく魅力的に響いた。こんなふうに、いろんな作品をリンクさせて音楽を聴くことの楽しさを再認識し、感動した次第です。
ところでラストの「星条旗よ永遠なれ」、おれは言われないと気付かないなあ。

Martin Denny / The Very Best of Martin Denny The Exotic Sounds (1988)

The Very Best of Martin Denny

ハリー細野のトロピカル三部作があらためてぐっとくる今日この頃、ちょっぴり深入りして聴いてみました。とはいえ、えっマーティンデニーってジャケの女の人じゃないの?てのは冗談として、この方面にはさっぱり疎い私ですから、いいも悪いもわかりません。ただただ、ネタ満載状態にニンマリするばかり。そしてこの、いい意味でのいかがわしさにすっかりなごむ。ジャズやクラシックの素養をこういう胡散臭い方向に昇華させるのってすごく素敵なセンスだと思う。

Led Zeppelin / III (1970)

Led Zeppelin III

なんだか無性に聴きたくなって。針を落として「移民の歌」が始まったときはやっぱりやめようかなと思ったけど(笑)、「フレンズ」が良くて持ちこたえた。予想通りというか、やはりアコースティックなB面が素晴らしかった。最高といってもいいくらい。特に「スノウドニアの小屋」! 忘れてた完全に。やられました。ツェッペリンは、アコースティックな曲だけ抜き出してコンピ作ればかなり自分好みのが出来そう。

XTC / Nonsuch (1992)

XTC / Nonsuch

XTCなんだから、と変態やヒネクレを期待してかかると肩すかしを喰らうけれど、それはそれとして、肩の力を抜いて向き合えばとても素敵な作品だ、と今日あらてめて思いました。XTCらしからぬ清涼感が実に心地良いです。変態/ヒネクレの果てに放つ清涼だからこそ、沁みます。しかし美メロ満載にも関わらずちっとも売れそうな気がしないところはあくまでもXTC印。ポップ職人というより、この時点においてはポップ仙人という存在感です。ラストナンバーの「Books Are Burning」が特に好きだ。

Talking Heads / Little Creatures (1985)

Talking Heads / Little Creatures

あらためてトーキング・ヘッズはイイなあと。ゴリゴリのイーノ時代ももちろんイイのだが(ダジャレじゃないすよ)、今聴いて一番気持ちイイのは(ダジャレじゃないってば)この『リトル・クリーチャーズ』なのです。なにしろポップで、ヘッズらしからぬほんわかレイドバック感がぐっと沁みます。十代の頃にはなんだか冴えないアルバムだと思ったもんですが、おっさんになるにつれ音楽の聴き方も変わるものですなあ。「Road to Nowhere」の素晴らしさも今こそ堪能できるというものです。

Brian Eno / Here Come the Warm Jets (1974)

Eno / Here Come the Warm Jets

イーノを知ったきっかけは、デビッド・ボウイのロウ、ヒーローズ、ロジャーの三連打。エノって何者だ?とかいって。それで御本人のアルバムを聴いたらクラクラきた。まさに変態。74年の音楽には聴こえない。確実に3年半は先いってる。でも小難しかったりはしない。ちゃんと笑える。タイトルどおり、射精ロック。それにポップだ。歌もイイ味出しまくり。イーノって環境音楽の人でしょ?ってのは間違いではないが、この痛快キュートなロック作を素通りするのは勿体無い。