Miles Davis / On The Corner (1972)

Miles Davis / On The Corner

ジャズ苦手または知らない奴(自分含む)が持ってる率ナンバーワンのマイルスはこれだろうきっと。よく言われるのが、スライに思いっきり触発されて作ったアルバムってことで、勿論それに異論はないけれど、じゃあ本作のファンクがそれほどスライ的かというと、実はおれにはよくわからない。
このアルバムのリズムパターンは、大雑把に言うなら2つしかない。いずれもキテレツ強烈なものだが、つんのめるようなギクシャクしたビート感は、腰にくるというよりはむしろ全身痙攣型(?)だ。そいつをガンガン反復するのでもはや呪術的というかある意味サイケなアヤシさ。はっきり言って最高です。
そしてこれは私だけかもしれないが、本作のサウンドにはそのアヤシサにも関わらず、どことなくお茶目さっていうか可愛さっていうかクスっと笑えるユーモアを感じる。うまく言えないけど、そこはまさにスライにも通じる感覚である。
最後に、本作の震えるくらいかっちょいいジャケは、私の愛するジャケオールタイムトップ3に入ります。