Sly & The Family Stone / Back on the Right Track (1979)

Sly / Back on the Right Track

スライのアルバムでまともに評価されているのは、せいぜい74年の『スモール・トーク』まで。それ以降はほとんどカス扱い。ひどい場合は『フレッシュ』(73年)の時点でダメ出ししちゃってる頭カラッポの評論家もいたりして、僕はそんな状況が悲しい。少なくとも79年の『スライ・バック』までは駄作などありません。それどころか作品ごとに、前作とは違うことやってやろうという気概さえ感じるし、実際それぞれがそれぞれに味わい深いのです。『スライ・バック』の中では、「リメンバー」と「セイム・シング」の二つが僕にとっては大事な曲。前者はファミリー・アフェア〜一緒にいたいなら系のメロウ感覚をぐっとポップな方向に昇華させた赴き、後者は粘っこさと人懐っこさが同居するまさにスライ節が光るファンクで、これらをカスと断定してしまえる奴とは一体何者なんだ?と憤懣やるかたない私なのです。