Funkadelic / Let’s Take It to the Stage (1975)

Let’s Take It to the Stage

ファンクバンドがロック演れないなんて誰が言ったぁ!?

ということで、最愛のバカサイケファンクロックバンド、ファンカデリック。このジャケの最悪ぶり、まさにスーパースチューピッド、所有盤の中で最も人に見られたくないジャケはこれだ、ファンカのジャケは例外なくどれもこれも最悪だが、その中でもこれは群を抜いて最悪、最低過ぎて最高だ。

僕にとって、ファンカデリックがもっともファンカデリックらしいのは71年の『Maggot Brain』から76年の『Hardcore Jollies』までのアルバムで、必ずしも本作がベストというわけではない。というより、そもそもファンカデリックの場合、アルバム単位よりも曲単位で愛しているので、以前私が編集したMD2枚組『ベスト・オブ・ファンカデリック』がベストなのだが、今は聴くことができない。

それでも、私がファンカショックの洗礼を受けたアルバムとして、本作への思い入れは強い。このアルバムを購入した時、これとカーティスメイフィールドの『Superfly』持ってレジに行こうとしたら近くにいた黒人のにいちゃんにグッドチョイスなどと笑いかけられ、ドウモドウモなどと頭を掻きながら答えたものである。

その日はカーティスそっちのけで、本作収録の3曲「Good to Your Earhole」「Let's Take It to the Stage」「Get off Your Ass and Jam」を狂ったようにリピートしまくり、その後大慌てでファンカの全アルバムを揃えてしまった。後にも先にもそんなことはしたことない。ちなみにパーラメントのアルバムはいまだに全部は揃えていない。

そのくらい、冷静さを欠くくらい、ファンになった!というのは今んとここれが最後。「ファンクロック」というのは私の音楽活動においても常に命題なんであるが、その「ファンクロック」が完璧にしっくりくるのは実はファンカデリックしかいない。まさに理想の音。が各アルバムに数曲ずつちりばめられている。

そんないいのに、なんでアルバム全体を楽しめないかっていうと、各アルバム、へんな曲が混ざってんですよ。なんじゃこりゃっていうのが。ジョージクリントンがバラード歌い上げちゃったりとか。本作にもバニーウォーレル独壇場のシンセソロみたいなのがラストに延々入ってるし。ちなみにこのバニー独壇場は、ザ・バンドのガースハドソンを意識したクリントンがやらせてるんじゃないかと勝手に思ってるんだけど、違うかな。なんにしても真面目に聴くのはちょっときつい。

とは言えですよ、ファンカの、これだ!という一曲、挙げるとキリが無いが例えば「Super Stupid」とか「Loose Booty」とか「Red Hot Mama」とか、これらの一曲ごとの存在感は、私の中ではパーラメントの『Mothership Connection』まるごとよりも大きい。

蛇足ですが、もし私がラジオ番組のディスクジョッキーをやるとしたら「Can You Get to That」をオープニングテーマにするって決めている。