Bonnie Raitt / Give It Up (1972)

Give It Up

『Bobby Charles』と並ぶ、ウッドストック産の傑作。インナーの写真の、そのへんの小屋でセッションして遊んでたら出来ちゃった、みたいな雰囲気。永遠の憧れ。

このアルバムは聴く前からずっとジャケだけは知ってて、小洒落たピアノ弾き語りバラード集かなんかでしょ?って感じで、ナメてたわけですよ。

それがノッケからいきなり激渋のスライドギター、シュークリームをほうばったら餃子味だった的な不意打ち、そのままたたみかけるようなディキシーランドファンキーサウンドを喰らい、あっけにとられる。しかもボトルネックはご本人の演奏ということで、大変失礼しましたマイりました、人を見かけで判断してはいけない、横浜銀蝿の翔もいつも言っていた。

ボニーの腕前を認めてか、スーパー変態ギタリストのエイモスギャレット先生が参加しているのだが、なぜかトロンボーンを担当している。

ミーターズもやっていたニューオリンズクラシック「I Know」も素晴らしい。イントロでの一声ウッ!が超かわいい。適度にいなたいボニーのノドはこの曲にぴったりです。そしてここでもボニーのボトルネック冴えまくり。残念ながらミーターズの完敗である。

もう一曲、特にお気に入りなのが、ミニマムなアレンジのブルースナンバー「Love Me Like A Man」でして、このアコギによるキレまくりのプレイに失禁しないやつは前へ出ろって感じなんだけど、これ、今度こそエイモス先生の出番ですか?え?これもボニーご本人!?勘弁してくださいよ。

基本的に、定型的なブルースにはあまり惹かれないんだけど、この曲とジミヘンの「Red House」は僕の中で2大ブルースってことになってます。

ボニーレイットのアルバムは本作を含め4枚ほど所有していますが、それらは僕の精神安定剤です。キャロルキングだといまひとつしっくりこないんだけど、ボニーだとなんか心からほっとするんだよね、なぜか。