Donny Hathaway / Live (1972)

Donny Hathaway / Live

実はダニーハサウェイその人自体にはそれほど思い入れとかない。ちょっと優等生過ぎる。アルバムいくつか聴いたけど、ほとんど印象に残ってない。もっとこう、毒というか変態性というか、強烈な体臭が無いとファンにはなれない。

とは言え、この『Live』だけはねえ。名盤でしょう。名盤に違いない。僕のレコード棚ではカーティスの『Live!』の隣。アマゾンの「あわせて買いたい」ではアレサのフィルモアライブが挙げられてるけど、早急に訂正願いたい。いや、別にいいんだけどさ。

一発目の「What's Goin' On」、残念ながら本家より全然良い。マービンくん、もっとこういうふうにやったらいいのに、と言ってるようにきこえる。いや、本人そんなつもりはないと思うけど。
終盤の「Jealous Guy」がまたいいよねえ。フィルスペクターにこってりシュガーコーティングされちゃったオリジナル、あれはあれで悪くないけど、本来はこのくらいスカスカのアレンジでやるべき曲だよね。いずれにせよ、ブライアンフェリーの出る幕はないよね。
他にも「You've Got a Friend」とか、よくカバーやるねこの人。ソングライターのくせに。

まあ、いろいろ素晴らしい演奏が収録されているわけですが、決定打はなんつっても「The Ghetto」でしょ!もう、なんか、ミュージック!!って感じなの。意味わかんないけど。まずこの必殺リフ。何十分ループされても大丈夫。12分なんてあっちゅー間です、いやんもう終わっちゃうの?でも不思議なのはスタジオ盤だと燃えないの。このライブのテイクじゃないと。それっつーのもね、演奏側が素晴らしいのはもちろん、観客がまた美しいんですよ。絶妙な参加ぶり。出だしのハンドクラップも効果絶大だし、ちょっとした演奏の緩急に対する反応が理想的。で、なんつっても感動的なのは、観客が男女に分かれて掛け合うとこ、レディーズ→「トキバタゲーロー(talkin' about the ghetto)」、メン→「ザ、ゲロッ(the ghetto)」という、あれですよ。何度聴いても鳥肌間違いなし。プリンスがライブでよくガールズとボーイズに分けて観客にコーラスやらせるけど、絶対これの影響だと私は確信している。

とか言いつつ、このアルバム聴くのえっらい久しぶりで、何年ぶりかしらって感じなんだけど。見事に鳥肌立ちましたね。いや、マジで。まんまと。トキバタゲーローのとこで。「鳥肌間違いなし」って自分で書いた直後に聴いてなかなか鳥肌立ちませんよあーた。

ああ、続けてカーティスのライブ聴きたくなってきた。