Sheila E. / Romance 1600 (1985)

Sheila E. / Romance 1600

10分を超える「Love Bizarre」は殿下ファンクの雛形みたいな曲だ。殿下はこういう判りやすいアウトプットはご自身の作品よりも、子分どものアルバムにさりげなく配すのがお好きらしい。
2と4を極端に強調したワンツービートと、頭の拍からジャストで入るややオメデタイ感じすら漂うホーンリフ、そのリフとユニゾンの歌、そしてひたすらワンコードの反復。この単純極まりない構造でどうしてこんなにカッコ良くなるのか、正直謎です。密室的だけれど開放感も伴う、という点では殿下87年のウルトラ大傑作『Sign 'O' the Times』にも通じるものが。
アルバム通して捨て曲なしではあるが、「Love Bizarre」のためにあるような作品と言ってしまっていいだろう。サイケな前曲「Dear Michaelangelo」からのツナギも失禁もの。