Prince / LotusFlow3r (2009)

LotusFlow3r

殿下新作のファーストインプレッションを書き留めておきます。
はっきり言って、今のところ、けっこう好き!です。
事前にネットで聴いていた数曲にかなりトホホな印象を抱いていたから尚更かもしれないけど、僕は今とても嬉しい。

3枚組(というより、別個の3作品のセット販売ですな)の内訳はだいたい事前情報とおり。

1枚目『LotusFlow3r』がバンドサウンド主体で、ロック寄り、ご本人はギタープレイに重きを置いておられるようだ。

2枚目『MPLSound』は打ち込みビシバシのエレクトロポップな仕上がりで、クレジット表記が一切無いので断言は出来ないが、まあほとんどお一人で作られたものでしょう。ミネアポリスサウンドの始祖が最新型のそれをお届け、ということでしょう。事前情報で興奮したQティップ参加はほとんどインパクトなし。

3枚目『Elixer』はナントカっていう新人歌姫の殿下プロデュース作品。ま、オマケですな。殿下のこの手のリリースは純粋な新人発掘というより、その時つき合ってるオンナに歌わせたい病の発作みたいなものなので、こちらとしてはあまり真面目に関わらないほうがよろしい。ただしそん中に時折すぐれたトラックが混在しているので厄介なのだが。

そういうことで、1、2枚目を一生懸命聴くわけですが、今のとこ1枚目の『LotusFlow3r』だなー。
いつになく直接的な表現でのジミヘン愛が耳につくのだが、イントロのSEからしてエレクトリックレディランド的だと思った。でもでも、どうも近年の殿下ギターの歪み方が気に入らなくて。妙に重厚なミックスも違和感があって、本作も序盤はそんな感じなんだけど、4曲目「4ever」(出た!「4」笑)から音圧が下がるんですよね。そこから一気に惹き込まれた。
曲間つなぎのこだわり、全編でひとつの塊のような構成は殿下の得意技だけれど、意外とこういう作り久しぶりだよね?バンドサウンドなのにこの一貫した密室感てのも久々な感じ。わーい。
ファンキーな「Feel Good,Feel Better,Feel Wonderful」は、タイトルからして突き抜けちゃった感が爽快ですが、音の抜きっぷりがまさにP印でありつつ、バンド演奏の生々しさもちゃんと残ってるとこが逆に新しい感じ。ライブも楽しみな一曲。
そしてベストトラックは「$」て曲。まったり変態ロックンロール。これ大大大好き。これこそプリンスだよ。よかった。これ一曲でも僕は満足だ。ありがとう!!

最後にちょっと不安を書くと、スイートソウル系バラードメイカーとしての才能はもう枯渇したかな〜という気がします。もう何作も前から感じておりましたが、どれも焼き直しだよな〜。しかたないけれど。。