Prince / 3121 (2006)

3121

発売から3ヶ月以上経過して、ようやく冷静に聴けるようになってきました。気付けば私のプリンスキチガイ歴もかるく20年を突破しましたが、新譜発売前後の取り乱しっぷりは中学生の頃とまったく変わりません。

まあ前作『Musicology』の場合は、先行シングルの「Musicology」が小便チビリもののカッコ良さだっただけに、きた!完全復活!!殿下再降臨!!!などとわめき散らし半狂乱状態で挑んだため痛い目に遭いましたが、それに比べると今回は若干冷静でした。

事前にシングルカットされた2曲を聴いていました。まず、きみはフリオイグレシアスか?と言いたくなるようなインチキスイートラテン「Te Amo Corazon」。これが相当トホホな感じでしたのでかなり冷静になることが出来ました。続いて「Black Sweat」という、何やらそそるタイトルに反しますます僕を冷静にさせる曲がシングルカットされました。これが言わば「Kiss」型のスッカスッカファンクなんですが、この手の曲が良くないというのは非常に致命的です。

というわけで、どんより気分で入手した『3121』ですが、結局、そこそこそれなりにまあまあ気に入っています。ていうか、好きです。いや、愛してます。ドンチューワナカム?サーリワントゥエニワン!

なんつっても頭の2曲が愛おしい。まずは必殺の一音リフとワンツービートの久々変態サイケファンク「3121」が泣ける。クレジットを見たら90年代前半のメンバーがドラムとベースで、ホーン隊がわりと最近の面々なんで、昔録ったリズムトラックにもろもろ重ねたのかもしれない。などと勝手な想像するのもまた楽し。いずれにしても、人間が演奏する必要があるのか?というほどにストイックなパターンを凄腕リズム隊にやらせているとこが殿下印。

ドロドロビチャビチャな「3121」が終わると間髪入れずに「Lolita」がきます。もはや絶滅したと思われていたこのシンセ音、やった!お帰りなさい!なんだこのへんてこな清涼感は?おれはポップだ!おれ様のポップを聴け!という47才の開き直り、カッコ悪くてカッコイイ!

私の2006年は「3121」と「Lolita」の2曲です。

他にも、かなり好きな曲はありますし、ちょっと好きな曲もあります。また、プリンスのアルバムに入ってなかったら絶対聴かないような曲もあります。友達からプリンスの新譜どう?ってきかれた時には必ず「ぜんっぜんよくない」と答えるようにしています。

ビルボード初登場1位おめでとう。