Jimi Hendrix / First Rays of the New Rising Sun (1997)

Jimi Hendrix / First Rays of the New

志半ばで他界したため未完のまま幻の作品となってしまったアルバム。のはずが97年に突如リリース。
僕はジミヘンの大ファンですが、このCDにはあまり愛着は持てない。まず、あたかもこれが4作目のオリジナルスタジオアルバムで完成版であるかのごとき体裁で出すことに嫌悪を感じる。死人に口なし、か。妙に感傷的なジャケットデザインもセンスを疑いますね。
内容に関しては当然のように魅力的な音源が多々あります。が、それでもやっぱり作りかけなんだなあと思われる曲が並んでいるし、特にボーカルは仮歌レベルと感じるものが多い。それに曲順や構成にしても、録音時期が全然違う「My Friend」は明らかにここでは浮いてる。大好きな曲なのにこんな扱いはイヤだ。
あの、言いたいのは、ファンとしては音源リリースは大歓迎なんですが、余計なことはしないでほしいってことです。デモやアウトテイクなら、純粋にデモ/アウトテイク集として出してよってことです。『ファーストレイズ・セッションズ』みたいな体裁で、1曲につき何テイクも収録したボックスとかでもいいじゃん。どうしてもアルバムの体裁で聴きたいっていうくらいのファンなら、そのテイク集を使って自分で曲順プログラムするなり何なりして聴けばいいと思う。それが、幻のアルバムの楽しみ方でしょう。そのほうが夢があると思うなあ。